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学習設計マニュアル関連

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  1. 学習設計マニュアルとは
  2. 学習設計マニュアル改訂新版(2026年発行のver.2)を用いた授業実践例
  3. 学習設計マニュアル(2018年発行)を用いた授業実践例

1.学習設計マニュアルとは

『学習設計マニュアル:「おとな」になるためのインストラクショナルデザイン』とは、2018年に北大路書房から発行された「自分の学びをデザインする」ための大学生向けの本です。これまで刊行してきた教材・授業・研修の設計マニュアルシリーズ第4 弾として企画されました。2026年3月に改訂新版(ver.2)が発行されました。

このサポートページでは、学習設計マニュアルを使って授業を実践したいと考えている「教員」に向けた情報提供を行っています。あなたも学習設計マニュアルを使って、自ら学ぶ学習者を育てる授業を実践してみませんか?

 

2.学習設計マニュアル改訂新版(2026年発行のver.2)を用いた授業実践例

『学習設計マニュアル』を使って授業を行う最も簡単な方法は、

  1.  学ぶ章を毎回1 つ(または2 つ)指定して各自本文を読んで練習問題に回答したものを持ち寄る
  2.  持ち寄った練習問題の回答について4 人程度のグループでディスカッションする
  3. グループで学んだことを個人で振り返りコメントを残す

の3 つを繰り返すことです。本書は読めば理解できるように書いてありますので、解説講義をする必要はありません。各章末に配置してある練習問題に取り組み、解説を読めば、自分が本文の内容をどの程度理解できているかを知ることができます。1. は事前課題として授業開始時までに準備してきてもらうのがお勧めです(事前に提出を求めるとさらによい)。1. を予習として課すことができない場合には、授業中にまず1. を行う個人学習の時間を30 分程度確保し、そののちに2. に入るとよいでしょう。2. のディスカッションでは、それぞれの回答を比較することで、理解が不十分な箇所があれば、自分たちで気づくことができます。
 教員は、授業時間が始まるまでに学生に指定した章を自分も読んで練習問題をやっておき(あるいは授業中に学生と一緒に個別学習に取り組み)、2. ではグループを回り質問があれば一緒に考えてあげるとよいでしょう。自分の回答結果を学生と共有することで学生との心理的距離を縮めることもできるかもしれません。3. は授業後に事後課題とし、次回の授業までに提出を求めるか、あるいは授業の終了5 分前にシャトルカード(大福帳)やミニッツペーパーの形で書いてもらうことで習慣化します。予見・遂行・省察の自己調整学習の3 段階を繰り返すことになります。
 ある程度進んだところで、たとえば部ごとに配置してあるレポートを個人ごとに提出してもらい、それを点検・フィードバックするとともに、評価の対象とします。そうすれば、毎時間のグループ討議の結果を発表したり記録する必要もありません。19章すべてを終わらせる必要もないので、重要だと思う章だけ選択して取り組んで構いません(あとは学生が勝手に読むでしょう)。授業回数が不足する場合には、授業の初回は第1 章を扱うとして、それ以降の授業回で取り組みたい章を投票によって決めると予告しておくのもよいかもしれません。授業回で取り上げない章は任意課題として設定し、授業で取り上げる章と同じように、個人またはグループで取り組んだ結果を(取り組みたい量だけ)任意レポートとして提出することを推奨し、加点の対象とするのもよいでしょう。

 また、慣れてきたら、ある部を指定してその中に含まれている章をグループ内で分担して読んできて報告するという発展形(ジグソー法的な進め方)を採用し、一気に何章も取り扱う方法もよいかもしれません。大学生には、教員の講義を聞いて学ぶのではなく、書籍を読んで自分で学ぶという学び方を体験してもらうことが大事です。ぜひ何も準備せずに、気軽にこの方法を試してみてください。

 以下に、学習設計マニュアルを使った高等教育機関での授業実践例(シラバス、指導案、使用した道具など)をご紹介します。他にも効果的な活用法ができたら、ぜひお知らせください。ここで紹介させていただきます。

 

●大学入門科目のシラバス syllabus1 (PDF 520KB)

(上記のシラバスで実践した結果報告)

  鈴木克明(2024)大学入門教育における主体性に委ねる授業の試み―テキスト19章を7回の授業で扱うデザインとその結果―,日本教育工学会2024年春季全国大会(第44回大会)講演論文集,157-158

 

●大学院基礎科目のシラバス 基盤的学習論シラバス (PDF 307KB)

(上記のシラバスで実践した結果報告)

  鈴木克明, 平岡斉士, 竹岡 篤永(2024)学び方学習の機会を学び合い中心にオンラインで提供する試み -熊本大学大学院教授システム学専攻「基盤的学習論」を例に-, 日本教育メディア学会 第31回年次大会発表集録,77-78

 

参考情報『学習設計マニュアル改訂新版(ver.2)』の構成

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第1部 自分の学びと向き合う

第1章 自分の現在地を知る
第2章 学習スタイルを把握する
第3章 学び方を振り返る
第4章 学びの深さを考える
第5章 学問分野の特色を把握する

第1 部「自分の学びと向き合う」では,1. 自分の現在地を知る,2. 学習スタイルを把握する,3. 学び方を振り返る,4. 学びの深さを考える,5. 学問分野の特色を把握する,という順で学びを整理していきます。

第2部 学びの場をつくる

第6章 仲間と力を合わせる
第7章 意見を出し合い整理する
第8章 学び合う下地をつくる
第9章 時間を管理する
第10章 失敗に強くなる

第2 部「学びの場をつくる」では,共に学ぶために,6. 仲間と力を合わせる,7. 意見を出し合い整理する,8. 学び合う下地をつくることを学びます。また,リソース(資源)を有効に使うために,9. 時間を管理する,10. 失敗に強くなることを考えます。興味を持ったテーマから学んでください。

第3部 学び方を工夫する

第11章 学習意欲を高める
第12章 理解を促す
第13章 出入口を明確にする
第14章 課題に合った学び方をする
第15章 実践に役立つ学びにする

第3 部「学び方を工夫する」では,11. 学習意欲を高める,12. 理解を促す,13. 出入口を明確にする,14. 課題に合った学び方をする,15. 実践に役立つ学びにする,という様々な角度から効率よく効果的に学ぶ方法を考えます。

第4部 これからの学びを考える

第16章 これからの学びを想像する
第17章 自己調整学習者になる
第18章 学びの引き出しを増やす
第19章 アクションプランをつくる

最後に,第4 部「これからの学びを考える」では,16. これからの学びを想像し,17. 自己調整学習者になること,18. 学びの引き出しを増やすことを目指して,19. アクションプランをつくることで,次の一歩へと踏み出します。

 

3.学習設計マニュアル(2018年発行)を用いた授業実践例

『学習設計マニュアル』を使って授業を行うもっとも簡単な方法は、

  1. 学ぶ章を毎回1つ指定して各自本文を読んで練習問題に回答してくる
  2. 持ち寄った練習問題の回答について4人程度のグループでディスカッションする

の2つを繰り返すことです。この本は読めば理解できるように書いてありますので、解説講義をする必要はありません。各章に配置してある練習問題に取り組み、解説を読めば、自分が本文の内容をどの程度理解できているかを知ることができます。1.を予習として課すことができない場合には、授業中にまず1.を行う個人学習の時間を30分程度確保し、そののちに2.に入るとよいでしょう。2.のディスカッションでは、それぞれの回答を比較することで理解が不十分な箇所があれば、自分たちで気づくことができます。教員は、授業時間が始まるまでに学生に指定した章を自分も読んで練習問題をやっておき(あるいは授業中に学生と一緒に個別学習に取り組み)、2.ではグループを回り質問があれば一緒に考えてあげるとよいでしょう。

 ある程度進んだところで、例えば部ごとに配置してあるレポートを個人ごとに提出してもらい、それを点検・フィードバックするとともに、評価の対象とします。そうすれば、毎時間のグループ討議の結果を発表したり記録する必要もありません。19章すべてを終わらせる必要もないので、重要だと思う章だけ選択して取り組んで構いません(あとは学生が勝手に読むでしょう)。また、慣れてきたら、ある部を指定してその中に含まれている章をグループ内で分担して読んできて報告するという発展形(ジグソー法的な進め方)を採用して、一気に何章も取り扱う方法もよいかもしれません。大学生には、教員の講義を聞いて学ぶのではなく、本を読んで自分で学ぶという学び方を体験してもらうことが大事です。ぜひ何も準備せずに、気軽にこの方法を試してみてください。

 以下に、学習設計マニュアルを使った高等教育機関での授業実践例(シラバス、指導案、使用した道具など)をご紹介します。他にも効果的な活用法ができたら、ぜひお知らせください。ここで紹介させていただきます。


参考情報『学習設計マニュアル』の構成

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第1部 自分の学びと向き合う

第1章 自分を取り巻く学習環境を知る
第2章 学習スタイルを把握する
第3章 学び方を振り返る
第4章 学びの深さを考える
第5章 学問分野の特色を把握する

第1部ではこれまでの自分の学びを整理していきます。第1章では、高校と大学での学び方の違いを考え、これまでの自分の学び方やその癖を見つめます。第2章では、自分自身のライフスタイルや学習スタイルの特徴を、「アドラー心理学のライフスタイルの4分類」「VAKT モデル」といったモデルに当てはめて考えてみます。第3章は「メタ認知」という概念がテーマです。自分の学習を調整するためには何をしなければならないか、といったことを考えます。第4章では、「ペリーの認知的発達段階説」などを参照しながら、深く学ぶことについて考えます。第5章では、自然科学と社会科学との違いを知り、学問の本質について考えます。

第2部 学びの場をつくる

第6章 学び合う下地をつくる
第7章 意見を出し合い整理する
第8章 仲間と力を合わせる
第9章 時間を管理する
第10章 失敗に強くなる

第2部では学びの場をつくる方法を学びます。第6章では、あなたの学びの場にいる様々な「人」や、学習経験の「質」について考えます。第7章と第8章は協働学習がテーマです。さまざまな協同学習の方法を知り、目標達成に向けて仲間と一緒に効果的なグループ活動をするためにはどんな工夫をすべきか考えます。第9章では、「タイムマネジメント」という考え方を知り、締め切りを守りながら出来栄えを向上させるにはどうすればよいかについて考えます。第10章では、「失敗に対処する4段階」などを知り、失敗を乗り越える方法を考えます。

第3部 学び方を工夫する

第11章 学習意欲を高める
第12章 理解を促す
第13章 出入口を明確にする
第14章 課題に合った学び方をする
第15章 実践に役立つ学びにする

第3部では自分の学び方を工夫する方法を学びます。第11章では、学習意欲について、「ARCSモデル」に当てはめて考えてみます。第12章では、「ガニェの9教授事象」を使って、教員がいなくても授業(研修)を効果的に組み立てる作戦を考えます。第13章では、自分が学習している内容の「出口」と「入口」をはっきりさせ、入口から出口までの道筋をイメージします。第14章では、「学習成果の5分類」という観点で、学習目標の種類に合った効果的な学び方を考えます。第15章では、「ID第一原理」「正答的周辺参加」といった考え方を知り、現実社会の中でうまく学ぶ方法について考えます。

第4部 これからの学びを考える

第16章 これからの学びを想像する
第17章 学習スタイルを拡張する
第18章 自己調整学習者になる
第19章 アクションプランをつくる

第4部では自分のこれからの学びについて考えます。第16章では、これから迎える社会の変化を想像し、将来どんなスキルが求められ、そのためには今、何をすべきかを考えます。第17章では、「コルブの経験学習サイクルと学習スタイル」を軸に、自分の現在の学習スタイルの特徴を知り、将来の拡張計画について考えます。第18章では「自己調整学習」という概念に基づき、自分の弱点の特徴を知り、それを克服する方法について考えます。最後の第19章では、学習に関する自分の現状と将来像を整理し、具体的な行動計画を立ててみます。


学習設計マニュアル初版第1刷と第2刷の相違.pdf (PDF 477KB)

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本サイトは、JSPS科研費「教育設計基礎力養成環境の構築とデザイン原則の導出に関する統合的研究(23300305)」の助成を受け、研究開発を行いました。

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