トップIDマガジンIDマガジン記事[088-02]【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(82) :グリーンブック第4巻日本語版、発刊される

[088-02]【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(82) :グリーンブック第4巻日本語版、発刊される

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【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(82) :グリーンブック第4巻日本語版、発刊される
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前回予告した通り、『学習者中心の教育を実現するインストラクショナルデザインの理論とモデル』の日本語版が発刊された。IDの巨匠ライゲルースがグリーンブックは第3巻で終わりだ、との宣言を前言撤回してまでも刊行したグリーンブック第4巻を日本の読者の皆様にお届けできたことに監訳者として安堵している。
アマゾン売れ筋ランキングでは2020年8月3日現在、書籍全体で1000位を切って984位(これがどのぐらいすごいことか実感は湧かないが、出版社は喜んでいた)、学習指導と教育学の2つで9位と好調である。512ページにもなってほとんど自立的に立てて置ける(?)ぐらいの大著が、高額に関わらずも売れているというのは、嬉しい限りである。お買い上げありがとうございます!

この翻訳にあたったのは日本医療教授システム学会(JSISH)の有志諸氏。ということで、JSISH主催の記念イベント「刊行記念WEBトークライブ」を8月8日午後にやります、とアナウンスしたら200名を超える申し込みをいただいたという。無料だから当日欠席もある程度見込まれるだろうが、豪華な顔ぶれで、たっぷり4時間お楽しみいただけるラインナップも揃い、とても楽しみである(https://pro.form-mailer.jp/lp/8d0e5ac3201210)。チャットをフル活用してリスナーからの質問も、その場でたっぷり時間をとって取り上げる予定なので、ぜひとも盛り上げてくださいませ。

さらに、名古屋への参集ができなくなった8月22日の第46回まなばナイト@オンラインでもこの本を取り上げてくれた。同窓会にも感謝感謝である。まなばナイトでは本の中身に目を通していることを前提にしたZOOMブレークアウトの計画もあり(詳細は下の記事を参照ください)、益々、売上向上に寄与してくれることだろうと期待している。「監訳者に質問」するというコーナーもあるので、当日は、ついうっかりの失言に十分に注意しながら、存分に楽しみたいと思っている。高額を投資したからには、元を取れるようにむさぼり読みましょう。

それにしてもこの本、ボリュームが半端じゃありません。「学習者中心」へのパラダイムシフトを(これまで通り)提案し、具体的な動きを紹介して「こうやればできる」という道筋をいくつか示しているのは前書(第3巻:翻訳済み)からの流れとして当然である。IDの第一原理を根幹に据え、いつでも使える普遍的原理と状況依存原理を区別してデザインしていくというアプローチも踏襲されている。他方で、パラダイムシフトを実現するためには、これまで教育方法論中心のIDが扱ってこなかったカリキュラム理論(方法論に対して内容論)を統合することが必要であると主張し、第5章「カリキュラムの新しいパラダイム」では、MESSに変わる4つのカリキュラムの新しい柱を提案した。
これを書いたのが何とあのマーク・プレンスキーである。MESSという命名も彼らしい(直接的には書いてなかったので、たぶん彼がそういう思いで命名しただろうと想像して少し加筆した=文化差を埋めるための監訳者特権行使)。デジタル移民がデザインした教育システムではデジタルネイティブの本領が発揮できない、若い人の可能性に蓋をするな、というプレンスキーの過激な主張を読む絶好のチャンスである。
この分厚い本の中で最初に読むべき章はどれか、と聞かれれば、迷うことなく第5章を勧めたい。そう断言しておいて、「私にとっては第5章よりは第〇章の方がもっと刺激的でしたよ」という異論を楽しみに、各イベントを迎えようと思う。

次の監訳書『教育デザイン研究を始めよう』(仮)も全訳を脱稿し、近々校正作業に入るだろう。その間には、日常業務の合間を縫って、単著『評価設計マニュアル』に取り組む所存(ライゲルースが第4巻ならば、ヒゲはシリーズ5冊目じゃ)。コロナ騒ぎで出張が減った分だけ能率よく執筆活動ができました、と言える日がそう遠くない将来に訪れるのを楽しみに、序二段からの復活優勝を成し遂げた照ノ富士にあやかって、粛々と前に進めていきたいと思う。前にも書いたと思うが、「執筆は順調ですか」と時折、各方面からのリマインダをいただけることを狙った有言実行的自己調整学習方略でした。オオカミ少年になる前に、何とか実現したいものである。

読者各位の健康と安全を祈念しています。

(ヒゲ講師記す)

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