トップIDマガジンIDマガジン記事[051-04] 【キャリアレポート】教授システム学専攻5期修了生 竹岡 篤永さんのインタビュー

[051-04] 【キャリアレポート】教授システム学専攻5期修了生 竹岡 篤永さんのインタビュー

熊本大学 教授システム学専攻修了生の高橋です。修了生の近状報告をするこのコーナーでは、修了生のみなさんの活動やお仕事についてインタビューしたものをお届けします。
今回は、GSIS5期修了生で、この1月から高知大学総合教育センターの教員になられた竹岡篤永(たけおか あつえ)さんの登場です!
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■竹岡さんのキャリアについて教えてください。
まず、GSIS以前のことをお話します。大学卒業後はソフトウェア開発の仕事していました。働く中でわかりやすい伝達に興味を持ち、思い切って仕事を辞めて大学院に行くことにしました。その大学院では、おばあさん同士の日常会話や自動券売機での切符購入の様子など、人と人、人とシステムとのコミュニケーション・インタラクションの機能についての基礎研究をしました。でも、その分野では仕事を見つけることができず、しかたがないので、IT支援の仕事などをしながら転身について考えていました。そんなとき、ハローワークのページでGSISを見つけました。2009年7月14日にeラーニング連続セミナー「eラーニングと生涯学習」があるという情報を見て、聞きに行くことにしました。eラーニングというのは、個人で学びの機会を作って提供できるんだということを知りました。その後、GSISを受験し、無事合格し、修士の学生になりました。
ここからGSIS以後です。GSISを修了してからも引き続きIT支援の仕事をしていました。学んだからすぐに転職できるというわけでもありませんからね。ただ、縁があって(縁としか言いようがないのですが)GSISの非常勤講師をする機会に恵まれました(今も引き続いています)。ストーリー中心型カリキュラム(SCC)に関する科目の非常勤講師です。この仕事は、本当にとてもよい*リアル*インターンの機会だったと思います。GSISのSCCではM1の後期、熊本大学のeラーニング推進機構という組織でインターンとして働くという設定があるのです。そちらは仮想で、非常勤講師はリアルなインターン、そんな気がしています。もちろんGSISで学んだことがそこにいかされています。それだけでなく、立場を違えることによって学ぶことが大きいと感じています。教える側がいちばん勉強になるって、よく言うじゃないですか。まさにそんな感じですね。また、チームで仕事をすることの楽しさ、重要性を感じさせてもらっています。先生、教員って、一人で教えることが多いですよね。でも、よりよい教育を目指すのなら、チームが大切だということを体験させてもらっています。そしてその*リアル*インターンの仕事を最大限アピールして、転職を果たすことができました。

■GSISで学んだことは、現在、役に立っていますか?
今の仕事は1ヶ月前に始めたばかりで、まだ何がどうやらよくわかっていないので、具体的にどうとは言えません。機会があれば、レポートしたいと思います。でも、とにかくeラーニングの仕事なので、役立てるしかありません。ただ、「eラーニング=ビデオ配信」みたいなイメージが強いので、それをなんとか変えたいなと思っています。だって、わたしが学んだeラーニングにはビデオ配信じゃなかったのですし、学んだことを役立てるとしたら、やっぱりそれ(ビデオ配信)じゃないでしょ。自分がやってきて効果を実感したことをベースに、それを仕事に役立てて行きたいじゃないですか。ビデオ配信が一つの手段に過ぎないこと、もっと言えば、eラーニングも一つの手段に過ぎないことから始めたいと思っています。

■現在興味があること(これから学んでみたいこと、やってみたいこと)を教えてください。
身近なところに学びがあふれていると思っているので、いつか、日常に埋め込まれた学びの機会を統合できるような仕組みが作れたらいいなあと思っています。
例えば、タレントが1週間、いろんな職を体験するという番組があったでしょ。お菓子の企画を考えたり、グラウンドホステスになったり。その番組を見て、普通なら5年とか10年とかかかって経験するようなことを1週間という短期間で経験するって、リアリティあふれる架空の設定と言えるんじゃないかなって思いました(つまり、リアルではないということです。だって、現実世界では1週間では体験できないわけなんだから)。GSISで提供しているストーリー中心型カリキュラム(SCC)みたいだ、と思いました。SCCでは5年10年かかって体験するようなことを半年間で体験できるようになっているんです。似てるでしょ。
こんな風に、学校や大学という制度以外の学びにもっと光を当てて、それをキャリアにつなげていくことを支援できるような、そんな新しい仕事を作って行けたらいいと思います。ひょっとしたらポートフォリオなんかにその可能性があるかなって思います。制度での学びも、制度外の学びも、どんどんどんどん蓄積して、学びを振り返って、その学びそのものにきちんとした価値を与えて、整理して、公開する。ポートフォリオにはそういう可能性があるんじゃないかなって思います。この考えに賛同していっしょに仕事をしてくれる人を、この場で募集します!(っていうか、こういうアイデアを話し合える場があるといいですね。)

(熊本大学 教授システム学専攻 修士5期修了生 竹岡篤永)
(インタビュー担当・文責:教授システム学専攻 博士2期修了生・同窓会事務局長 高橋暁子)

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