トップIDマガジンIDマガジン記事[056-03]【キャリアレポート】教授システム学専攻6期修了生 石井 恵利佳さんのインタビュー

[056-03]【キャリアレポート】教授システム学専攻6期修了生 石井 恵利佳さんのインタビュー

熊本大学 教授システム学専攻修了生の高橋です。修了生の近状報告をするこのコーナーでは、修了生のみなさんの活動やお仕事についてインタビューしたものをお届けします。
今回は、GSIS6期修了生で、看護師の石井恵利佳(いしい えりか)さんの登場です!

■石井さんのキャリアについて教えてください。
看護師として働いています。現施設に新卒で入職し、入職時から心臓血管外科、救命救急センターと急性期病棟に所属し臨床実践をしてきました。経験を積むにつれ後輩指導にも携わるようになり、GSIS入学前から院内研修の企画、実施も行うようになっていました。自分なりに創意工夫しながら指導、研修の企画・実施をしていたつもりでしたが、なかなか目に見える効果が得られず。。。悶々とした日々を過ごしていました。その頃の看護師教育は指導者から学習者への一方向性、知識伝達型の研修が主であり、「研修をした!」「指導をした!」という指導者側の自己満足で終わっていることが多かったように思います。私自身「これではいけない!」と思いながらもどうしていいものかわからない状況でした。ちょうどその頃、医療教授システム学会で鈴木克明教授の講演を拝聴しました。鈴木先生の講演は私にとって衝撃的であり、「熊大に入って学びたい」とわくわくした気持ちになったことを鮮明に覚えています。学会からの帰宅時には受験を決意していました。
GSIS入学後は、ちょうど院内教育担当者ともなり、院内看護師教育に深く携わるようになりました。これは上司が「GSISで学んでいることを実践に活かせるように」という私への配慮と期待を込めてのことだったと思います。「学んだことを実践する」機会を提供していただけたことを今でも感謝しています。教育担当者となり、先ずは「一方向性の知識伝達型研修からの脱却」を目指しました。脱却するには、指導者側の意識改革、効果効率的な研修企画・実施に必要な知識の習得が必要と考えました。そこで、各部署の指導者を対象とした院内研修を開始しました。OJTとOff-JTの連動、IDに基づいた研修を企画・実施できるようになることを目標に研修を企画・実施し今年で4年になります。

■GSISで学んだことは、現在、役に立っていますか?
とても役立っています。先に述べた指導者対象の研修では、集合研修終了後に受講生自ら所属部署での研修を企画・実施してもらっています。年度末には、企画・実施した研修内容、結果、評価、教材改善をまとめたものを発表してもらっているのですが、指導者の意識と院内研修が変化しているのがわかります。ID、ガニェの9教授事象、ARCSモデル、ADDIEモデル等が院内で共通言語となっており、「やりっぱなし」「指導者の自己満足」の研修ではなく研修を評価する風土が定着してきています。今後は、研修が変化したことによってどのような効果がもたらされているかを評価していかなければならないと考えています。
あとは、学んだ内容ということではありませんが、GSISで多様な職業、立場、年代の方々と一緒に学べたことは私にとって刺激的でした。入学前まで医療職以外の方々と一緒に学ぶ機会というのは殆どありませんでしたので、視野を広げることができたように思います。

■現在興味があること(これから学んでみたいこと、やってみたいこと)を教えてください。
同期の方々と共同研究をしたいねと話をしています。かなり前から話はしているので具体化させたいです。研究を進めるにあたり、GSISの先生方をはじめ、みなさんにご指導、ご協力をお願いすることもあるかと思います。その際は、どうぞ宜しくお願い致します。

(熊本大学 教授システム学専攻 修士6期修了生 石井恵利佳)
(インタビュー担当・文責:教授システム学専攻 博士2期修了生・同窓会事務局長 高橋暁子)

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