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【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(114) :『学習設計マニュアル』新装版の準備が整いました

2025年11月20日、ヒゲは編著者の一人として初稿校正の戻しを出版社に送る期限を迎えていた。2018年3月に初版を出版してから7年半で10刷を重ね、ご好評をいただいている『学習設計マニュアル』を改訂することとなったためである。他方で、『教材設計マニュアル』は2002年に発刊されてから20年以上が経過したのにもかかわらず、まだ初版のままである。それに比べれば、「異様な速さ」の改訂である(どちらかと言えば『教材・・・』の寿命の長さの方が「異様」であると思うのが一般的だろうけれど・・・)。


大学1年生が生徒から学生に(少なくとも呼び名だけは)変わるタイミングで、IDの基礎を自分の学びに活用できる人になることを後押ししたい。そんな思いで副題に


「おとな」になるためのインストラクショナルデザイン


を掲げた教科書を作ろうとしたのは、科研費チームの研究成果を世に問うためであった。月日が流れるのは早いもので、あれから8年が経過した。初版出版後もそれぞれの職場での活用を試みながら、また徐々に教科書としての採用の広がりを目の当たりにしながら(ありがとう、みなさま!)、「そろそろ古くなったんじゃないか」「この際改訂が必要だろう」との意見の一致をみた。
 

改訂方針を決めて、新版を作りたいと出版社に申し出たのは今年の6月22日。「やりましょう」との同意をすぐに得て、急ピッチで作業が進められた。初稿入稿の目標を9月末日と設定、改訂の度合いに応じて各章の執筆担当者が改訂作業を進め、その結果を編集者としてまとめて出版社に戻したのが9月20日(目標の10日前でした!)。やればできるものですねぇ。科研プロジェクトのメンバーなので団結力が強い。互いに励まし合う機会がもてたのも追い風だった。出版社から初稿校正稿が戻されたのが10月末日、各章の執筆者による確認・修正依頼が寄せられ、それをまとめて11月20日の〆切までに無事、ボールを出版社に投げ返すことができたのであります(初稿校了)。
 

ところがですよ。誠に残念な事態が発覚した。何だと思います?


実は、9月20日に各章担当者からの改訂稿をまとめて出版社に送ったときに、なんと、改訂稿の修正部分をいくつか見逃していたことが今回、判明。「これ、直したはずなのに初稿に反映されていません」との指摘が複数の執筆者から寄せられたのである。え、まさか、とは思ったが、念のため9月20日に出版社に送った原稿と著者からの改訂稿を見比べてみて愕然・・・。まとめる際に修正箇所の転記ができていなかったではありませんか。十分な時間を確保して、念入りに作業をしたはずなのに、何たる失態。そもそも出版社に送った改訂稿に著者の思いが反映できていないとすれば、いかに正確な作業を出版社がやったとしても「直ってません」になるしか道はない。
 

ヒゲはこの手の作業が得意だと認識していただけに、その落胆は小さくなく、ちょっとした事件でした。今回、各章の執筆者が自分の章の改訂部分が初稿に反映しているかどうかをチェックしてくれたことに救われた結果となった。大事に至らなくて済みました、ありがとうございました(>執筆者各位)。もともと初稿の校正を編者だけでなく著者にも依頼するプロセスは、こんな事態に備えたフェールセーフの仕組みですよね。しかし編者のチェックが甘かったために、初校直しの箇所が増えてしまいました。ごめんなさい、そして、引き続きどうぞよろしくお願いします(>出版社さま)。
 

いやぁ、寄る年波というか、老人病が進行中であることは日々感じているところではあるのです。ろれつが回らなかったり、あれ、今何を探していたんだっけ、と気づいたりする事案が増えている。まぁそんなことは百も承知でしたが、まさか編集箇所を転記漏れするとは思ってもみなかった。精度が落ちている分、より念入りにという姿勢で臨んだはずなのに。編集作業が苦手だと自覚している人であれば、さしたる落ち込みも生じないでしょうけど、結構経験豊富な人だと自認している者にとっては、それだけガッカリ度合いが厳しいのです。今後もこの手の「落ち込み」事案がますます増えることを覚悟しなければ、と改めて思った次第。平田オリザさんの『下り坂をそろそろと下る』じゃないですが、自分への過信を捨てて、腐らず、落ち込まず、予防的措置を講じながら、生きていこうと思います。思えば学生さんにもいつも一番人気の第10章「失敗に強くなる」に失敗から立ち直る方法が述べられています。まずはもう一度、読んでみることにします。

ということで、表に出ないところでの紆余曲折はありましたが、スケジュール通りに進んでいます。今後、順調に作業が進めば、今年度中の発刊ができそうです(可能であれば3月初旬のイベントに間に合うといいなぁ・・・)。どうぞご期待ください。
 

(ヒゲ講師記す)

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