トップIDマガジンIDマガジン記事[133-02]【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(105) : 創立50周年イベントに参加して思ったこと

[133-02]【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(105) : 創立50周年イベントに参加して思ったこと

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【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(105) : 創立50周年イベントに参加して思ったこと

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ヒゲ講師は年度初め早々、フロリダを久しぶりに訪ねた。コロナ禍以来、初めての海外。ヒゲ講師がお世話になった大学院が創立50周年を迎えるイベントに参加するためであった。学内のカンファレンスセンターを使って、歓迎レセプション、過去・現在・未来をテーマにしたパネルディスカッション、現役院生や同窓生による並列セッションやラウンドテーブル、50周年記念ディナーやオークションなど、3日間にわたり多彩なプログラムが企画され、盛況であった。創立からの歴史を振り返る最初のパネルに登壇した名誉教授たちはヒゲの恩師揃い。創立前から在籍していたディック(あのディック=ケアリーモデルのディック先生です)からは、朝鮮戦争後の韓国の教育改革を先導したモーガンが中核になって、ガニェの招聘に成功したこと(そして予想に反して長い期間、転職しないでくれたこと)がプログラムの基盤を形成したことが語られた。

ヒゲ講師が修士課程に留学したのは、プログラム設立10年目の1983年。プログラム創設メンバーの講義を直接受け、博士論文の執筆にあたってはガニェの最後の弟子の一人になれた恩恵をいただいたことなど、当時のことが走馬灯のように思い出された。そうか、あれからもう40年がたつのか。帰国後も交流を続け、日本にも多くの教授を招聘したし、翻訳書もいろいろ出せた。放送大学の科目ビデオでは「ID発祥の地」においてロケをして、インタビューも届けた。あれからの充実した日々に感謝しつつも、もうあの日には戻れないんだな、と少し感傷的にもなった。

現在をテーマにしたパネルでは、現役教員が登壇し、設立当時の教授陣が去った後の継続策について語った。国際レベルでの博士課程を維持するための奨学金の充実(私の時代にはなかった!)に加えて、オンライン修士課程への展開や州内の学校関係者をターゲットにした教育学博士課程の創設などを含め、現在の姿に至る道筋が紹介された。未来をテーマにしたパネルはどうなるのか、気になるところではあったが、ヒゲ講師のイベント参加はここまで(紹介できなくてすみません)。健康状態が気になっていたジョン・ケラーと夫人と一緒に州境を超えてドライブし、郊外のレストランで旧交を温めた。今回のフロリダ訪問で、どちらが優先事項だったのか。この選択に体現されていることは、言うまでもない。

改めて、ヒゲ講師は幸運であったことを実感した。留学時期がプログラムの最盛期であったこと、途中でジョンが転入してきたことなど、セレンディピティに感謝するしかない。あれから、巨匠たちの時代を受け継いだ現在の先生方も様々工夫してきたんだなぁ、50周年を迎えるイベントを盛大にできるのも彼らの貢献の賜物に他ならない、継続は力なり、と思った。

インストラクショナルデザインを日本語で学べる場所をつくりたい。そういう思いを実現させてもらったヒゲ講師の古巣GSISも、来年には創立20周年を迎える。これからも紆余曲折あるだろうとは思うが、無事に50周年を迎えるまで、創意工夫を重ねながら、大いに進化しながら、走り続けて欲しいものだ。

ところで、こちらは予想に反せず、帰国後の時差ボケには長い期間、悩まされた。旅行後の復活に時間がかかりすぎるので、短期間の米国旅行は当面、やめようと思う。しかし他方で、時差が少ない近隣諸国には積極的に出て行こうと思う。旅に出ることの効用を改めて感じた旅であった。読者諸氏も、内外問わず旅に出て、新たな出会いや新たな気づきに巡り合えるよう祈っています。

 

(ヒゲ講師記す)

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