トップIDマガジンIDマガジン記事[125-02]【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(101):花の東京暮らしは出足好調です(たぶん)

[125-02]【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(101):花の東京暮らしは出足好調です(たぶん)

ヒゲ講師は2023年9月20日、武蔵野のキャンパスで10分間のミニプレゼンをした。タイトルは「響学スパイラルの教育工学的解釈」。主催責任者として、大講堂に教員が集合する全学FDを締めくくる役割だった。与えられた時間は90分。最初の10分でご近所ディスカッションの範囲を決めるグルーピングと自己紹介のあと、事例発表10分にご近所ディスカッション5分、演者への質問5分を2事例で2回回して(計算は合わないが、想定内の遅延)残った最後の10分で、「学生が響学スパイラルを経験・会得すること自体に意義がある活動だ」というメッセージを伝えた。世の中には経産省のラーニングイノベーションで「ワクワク感」を中核に「知る」と「創る」を往還するモデルがあり、OECDもエージェンシ―を育てる手段としてAARサイクルを強調している。仕事での学びはコルブの経験学習モデルでコンセプトが大転回したが、それを疑似的に都合よく再現するための枠組み(IDの第一原理)も提案されている。みんな似たようなものです、というのが「教育工学的解釈」の中身。10分じゃぁ詳しく語れないので、興味がある方には別に機会を設定します、と締めくくった。FDにはFoodとDrinkが必要だと提案し、その後場所を移してセンターとセンター員の活動を紹介するポスター付懇談会(昼なのでお酒は出なかった)。多くの方々に来場いただき、無事終了。集計中のアンケートも好調のようで、一安心している。「別の機会」を望む声も寄せられているので、どのように実現するかも考えなければならない。どうですか、楽しそうでしょ?

じつはこの全学FDは本年度2回目。第1回は有明のキャンパスで一部教員が集まりその他は各研究室からの遠隔参加、というハイフレックス形式が与件だった。これまでの全学FDは講演型だったのだが、講演型のFDはやらない、やりたくないと公言して追い込まれ(自らを追い込み)、(ヒゲ講師にとってはいつものように)GoogleDocsの共有シートへのグループごとの書き込み付のブレークアウトセッションと質疑応答×3回(リアル会場は物理的グループにPC1台ずつ配置)というスタイルを導入。神は細部に宿るとの格言通り、もう少し工夫できたかな、という面は残しつつ、「こんなこともできるんですね」という驚きとともに、担当職員との綿密な打ち合わせのおかげもあり、まぁまぁうまくいった。次は〇〇と△△を改良すればうまくいくかな、との好感触を得ていたところで、「第2回目は大講堂に全員集合、集まってもらうために中継はしない」という方針転換に「あれまぁ」、となった。だが、基本的な組み立ては踏襲。大講堂でもオンラインでもワークはできる(ということを示さねば)。第1回はARCSモデルを取り上げたが、今回は事例の共有で行こう、となった次第。懇談会では「先生が着任してから全学FDがガラッと変わりましたね」と励まされもした。どうですか、楽しそうでしょ?

第99回に「全学の世話」とは何かが、まだ見えない、と書いた。半年たって、徐々にその全貌が明らかになりつつあります。全学FD等のイベントも楽しいが、これに各領域の授業改善に取り組む先生方とのコンサルが本格化し、学生が喜ぶ授業を共創できるようになれば、もっと楽しくなることは間違いなさそう。会議はめちゃくちゃ多いのですが、ちょうど教学改革のタイミングでもあり、中身は面白く、徐々に意見を述べられるようにもなってきた。何よりもキャンパスが2つあるので「会議はオンライン」という原則が嬉しい。教養教育部会の歓迎会とか学部長懇談会とか、一献しながら直接話せる機会も徐々に復活している。後生だから「会議も対面」には戻らないでください。対面に戻るならば、大人数の伝達系のものではなく、意見を出し合う少人数のものから、できれば食事会付きでお願いしますね!

食事会と言えば、東京でも出張中でも、大手を振って一献できるようになったのはこの上もなく嬉しい。学会の懇親会も復活し、合宿もできるようになった。古巣の活動も継続中である。再開した毎月1回の「専攻長オフィスアワー」では、助っ人として東京オフィスに出向き、終わったあとには新橋あたりで一献をエンジョイしている。各地の「まなばナイト」にも上手に出張を絡めて毎回参加し、旧知の仲間や新しい仲間との直接対話を楽しんでいる。「公開講座」も応用編は一部、対面で開催されることになり、これも新しい出会いに胸が躍る機会になりそうだ。赴任初年度の締めくくりの3月には、私が巣立った後の熊本で開かれるJSET春大会と、2回目となる医療系学会(JSISH)の全国大会長を引き受けた大イベントが2週連続で待ち構えている。JSISHの演題募集も始まったので(10月末〆切です!)、多くの人たちの活躍に触れ、将来を見通し、さらに美酒に酔いしれて、よい年度末を迎えたいと思っています。関係者の皆様、お誘いあわせの上、集結くださいませ!

またいつかどこかでお会いしましょう。

(ヒゲ講師記す)

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