本年2月12日、IDについての翻訳本『インストラクショナルデザインの理論とモデル(第3巻)』が出版された(北大路書房刊)。いわゆるグリーンブックと呼ばれるIDの専門書で、インディアナ大学のライゲルース教授が取り組んできたシリーズもの。第3巻の副題は「共通知識基盤の構築に向けて」。これまでいろんな人がいろんなID理論やモデルを提唱してきた(それらは第1巻2巻に所蔵されてきた:邦訳未刊)。
そろそろIDも成熟期を迎えたからそれらバラバラのものをまとめるための枠組みがあっても良いのではないか、という野心的な書籍である。野心的な書籍であることもあり、翻訳にはとっても手間取った。理論的な内容なので、知識構築に精通している林さん(広島大)に監訳を手伝ってもらい、ようやく出来上がった、という感無量な(難産な)出版であった。肩の荷が下りて、やれやれ、でした。お待たせしました。
ご多聞に漏れず、早晩このテキストもそのうちランチョンセミナーで章ごとに取り上げて、議論していくことになるだろう。それぞれの章はそれぞれに噛みごたえがあるが、それぞれにまた示唆に富む中身である。ぜひ楽しみにしてください。
ところでこの夏に日本教育メディア学会が韓国・中国の兄弟学会と主催してきたICoME(International Conference of Media in Education)2016が京都で開催される(8月18-20日)。招待講演者にライゲルース教授をお招きしている。ライゲルース教授は2011年に初来日をしてから二度目の来日。直接お会いして話を聞けるチャンスなので、この機会も活用してもらえれば幸いです。もちろん、ICOMEでは研究発表も受け付けているので、こちらはライゲルースに自分の発表を聞いてもらえるチャンスになるかも。詳細は、http://icome2016.iwd.jp/
(ヒゲ講師記す)