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IDマガジン第14号

ID マガジン第14号

1. 【ごあいさつ】IDマガジンマガジン復活宣言
2. 【ご案内】熊本大学国際セミナーin東京 (ウェイジャー教授講演)- 4月12日
3. 【再連載】ヒゲ講師のID活動日誌 (14) ~岩手から熊本へ、日本酒から焼酎へ?~
4. 【お知らせ】「eラーニングの専門家」を認定するeLP資格制度
5. 【イベント】近々行われるイベントは?
6. 【報告&予告】 アメリカ取材@PSU (Penn State University)
★ 編集後記

【ごあいさつ】IDマガジンマガジン復活宣言

前回のIDマガジン発行からはや、2年4か月。どれだけ編集部がサボっていたかが明らかです。ここにIDマガジンの復活を宣言します。心機一転、インストラクショナルデザインを中心とした学習と学習環境デザインに関する情報、人材育成に関する情報を熊本より発信いたします。

岩手から鈴木先生、学生達と一緒に熊本に移動してきてはや2年が経ちます。大学院のプログラムも多くの先生方とスタッフの尽力により、少しずつ軌道に乗ってきました。
今後ともIDマガジンとIDポータルサイトを熊本大学院 教授システム学専攻とともによろしくお願いします。

(根本淳子)

【ご案内】熊本大学国際セミナーin東京 (ウェイジャー教授講演)- 4月12日

熊本大学GP「IT時代の教育イノベーター育成プログラム」の取り組みのひとつとして、東京にて国際セミナーを開催いたします。来日いただくのは、フロリダ州立大学名誉教授ウォルト・ウェイジャー先生で、近訳「IDの原理」共著者として長年にわた故ガニェ・ブリッグス両教授と仕事をしてきた研究者です。午前中は修了生を交えたディスカッションを行います(詳細は来てのお楽しみ)。

■ 日時:2008年4月12日(土)10:00-15:00
■ 会場:熊本大学 東京リエゾンオフィス
(キャンパス・イノベーションセンター 5階509号室)
http://www.kumamoto-u.ac.jp/syakairenkei/sankangakurenkei/chitekizaisan/tokyo_riezon.html
■ プログラム:
10:00 開会式
ラウンドテーブル「教授システム学専攻修了生のこれまでとこれから」
12:00 ポスターセッション(ディスカッション:軽食をご用意します)
13:00 記念講演「IDの産みの親:ガニェ教授の遺したもの」
フロリダ州立大学名誉教授ウォルト・ウェイジャー氏
15:00 閉会(引き続き新入生オリエンテーションを行います)
■ 申込: 参加費無料。下記URIから事前登録ください(定員100名)
http://el-lects.kumamoto-u.ac.jp/i_collabo/

【再連載】ヒゲ講師のID活動日誌(13) ~岩手から熊本へ、日本酒から焼酎へ?~

皆さまお久しぶりです。長い長い休眠期間を経ましたが、ようやくIDマガジン復刊の運びとなりました。またご愛顧ください。

ヒゲ講師こと鈴木は今、スペインのバルセロナに来ています。年3回開催されるibstpiの理事会とワークショップに参加するため、フロリダ州立大学時代の恩師リーサー教授と少し早めにこの地を訪れています。ibstpi*はInternational Board for Standard in Training, Performance and Instructionの略で、4つのコンピテンシー(職務遂行能力)標準を中心に活動している国際団体。ヒゲ講師は昨年(2007年)1月から理事に就任し、現在、インストラクショナルデザイナコンピテンシーの改訂作業と、オンライン学習者のコンピテンシーの可能性を探るという少し変わったプロジェクトに参画しています。現在ibstpiが公表しているのは、インストラクショナルデザイナ、インストラクタ、評価者、教育研修マネージャーの4職種の専門家として何が必要か、という国際標準ですが、数年前から学習する側にも成功に結びつくコンピテンシーが設定できるのではないか、という仮説が取り上げられ、現在、その可能性を調査しているところです。バルセロナ理事会でも、このプロジェクトの進捗状況を報告し、コンピテンシー設定・公表に向かうのかどうかも含めて次にどうするかが話し合われる予定です。

さて、日本酒が最高においしい東北の地から焼酎なら任せておける熊本に移り住んでから早いものでもう2年。本当に熊本に住んでいるの? とか、仕事は東京でやっているんでしょ? とか、オンライン大学院なら熊本にいないでもいいんでしょ? とか、様々な憶測が絶えない今日この頃であります。少なくとも、熊本においでになったゲストや友人・親戚を案内することには慣れてきましたし、飛行機に頻繁に乗るため、JALとANA両方のクラブ会員にもなりました。一年目は岩手に残してきた学生のゼミ指導に月1回は顔を出していましたが、今ではそれもなくなり、それとともに徐々に仙台にある拙宅に顔を出すチャンスも思うように作れなくなりつつあります。こんな生活が長く続けられるわけはないと思いつつ、日本初の教授システム学専攻(Instructional Systems)修士課程の立ち上げ、30科目に及ぶ自転車操業のコンテンツ開発と非同期を中心としたオンライン教育の実施、さらには大学院GPへの応募(通りました!)と博士後期課程の立ち上げ(できました!)など目まぐるしい毎日に追われ、あっという間の2年間でありました。

このたび、この2年間放置してきたWebサイトを新装開店するのを期に、IDマガジンも復刊しよう、という運びとなりました。2年間の空白を徐々に埋めつつ、他方で、毎日のように起こる新しい出来事についても、また定期的にお伝えしていきたいと思っています(こう決意表明しないとまた休刊に追い込まれそうな忙殺ぶりなので、危険を覚悟で敢えてそう記しておきます)。Webサイトも荒野のように荒れ果てていますので、少しずつ鍬を入れて耕していきます。気長にお付き合いいただければ幸いです。

昨晩遅くチェックインしたここバルセロナのアパート型ホテルでは、現在インターネットへのアクセスができない状態で、この原稿も「とりあえず書くだけ」になっています。このメッセージが皆さまのお手許に届く頃にはインターネットへのアクセスも何とか解決され(そうでないと届かない!)、ネット環境さえあれば世界のどこにいても仕事ができるという世界に戻っていることでしょう(そうでないと仕事ができない!)。これからフロントデスクに行って、インターネットにつながらないんだけど(実はトイレの水も流れない・・・)、と助けを求めてきます。

*ibstpi
(International Board for Standard in Training, Performance and Instruction)
参考URI:http://www.ibstpi.org/

鈴木克明(2006)「(エッセイ2006)岩手から熊本へ? それとも土地なき電子空間へ?」『視聴覚教育』平成18年7月号、10-11.
http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/ksuzuki/resume/articles/2006a.html

鈴木克明(2007)「熊本大学大学院のeラーニング専門家育成」『大学と学生』
平成19年2月号(第38号)、7-14.
http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/ksuzuki/resume/articles/2007a.html

(ヒゲ講師記す)

【お知らせ】「eラーニングの専門家」を認定するeLP資格制度

日本イーラーニングコンソシアム(eLC)は、2007年3月から「eラーニング・プロフェッショナル(eLP)」資格の認定を開始しました。
この資格制度は、企業・高等教育機関・公共機関において 、ICTを活用した教育研修プログラム(e-Learning)を導入・活用する際に必要な戦略策定や、導入の企画・設計・開発・運用・評価をする知識、スキルをもつeラーニング専門家を育成し、資格認定するもので、「マネージャー」「エキスパート」「チューター」「コンサルタント」「ラーニングデザイナー」「コンテンツクリエーター」「SCORM技術者」の7つの職種と、これらの職種の基礎部分となる「eLPベーシック」で構成されます。

7つの職種の位置づけは次の通りです。

*ユーザ側の職種
「マネージャー」:教育を実施する組織や高等教育機関等において、ICT活用の人材開発プロジェクトをマネジメントする人材
「エキスパート」:マネージャーを補佐し、 ICT活用の人材開発プロジェクトを遂行する人材
「チューター」:eラーニング学習者を支援する人材

*ベンダ側の職種
「コンサルタント」:eラーニングを実施する組織のeラーニング導入事業を支援・コンサルティングする人材
「ラーニングデザイナー」:受注したソリューションの構築プロジェクトを推進する人材
「コンテンツクリエーター」:学習効果を高めるコンテンツを制作できる人材
「SCORM技術者」:SCORM規格に関連する知識と技術を有する人材

資格の認定を受ける方法は2つです。

一つはeLCが開催する「eLP研修」を受講し、修了テストに合格することです。一つの資格の認定を受けるには、所定のコンピテンシー(複数)を充足することが必要なため、いくつかの研修の受講が必要となります。

もう一つは、コンピテンシーの整合性、シラバスとコンテンツの品質をeLCの資格認定委員会が検証、認定した教育機関で所定の単位を取得することです。現時点で認定された教育機関は、熊本大学大学院社会文化科学研究科教授システム学専攻(チューター以外の各資格)および青山学院大学eLPCO(ベーシックおよびチューター)の2校で、いずれもこの3月~4月にかけて対象者に認定証を交付する予定です。熊本大学では、4月12日に開催される国際セミナーの席上、授与式を行います。

この制度をスタートさせるにあたっては、eLCでこの制度を主管する「eLP研修委員会」の2年以上にわたる取り組みがありました。どのような職種を認定すべきか、その職種に求められるコンピテンシーは何か、といった資格の「そもそも」から始まり、コンピテンシーを充足するための研修はどのように行われるべきか、認定料はいくらにすべきか、どのようにプロモーションしていくか、資格のロゴはどうするかといった運営面の、それも極めて細かい点まで検討が積み重ねられました。

また、提携教育機関である熊本大学や青山学院大学サイドでも、それぞれの科目のコンピテンシーとeLPで定められたコンピテンシーの照合をし、充足されていることが判明できないコンピテンシーをどの科目でどのように充足するようにするか、という緻密で膨大な作業が行われました。

このような作業を続けられたのも、eLP研修委員会委員や提携教育機関関係者の「eラーニングや教育はプロが行うべき仕事だということを世に知らしめたい」「高いスキルや知識をもって良い仕事をしている人たちを応援したい」「eラーニングや教育の世界により多くの人に感心を持ってもらい、有能で志の高い人たちに一緒に仕事をして欲しい」という熱い気持ちがあったからです。IDマガジン読者の皆さんにも、是非このeLP資格制度をご活用いただければと思います。

また、eLP資格制度は生まれたばかりで、まだまだ今後成長していかなければなりません。

皆さまのご意見・ご要望をお待ちしております。

詳しくは下記のWebサイトをご覧ください。

日本イーラーニングコンソシアム「eLP資格制度」
http://www.elc.or.jp/eLP/elp_sikaku.html

文責:北村士朗(eLP研修委員会副委員長)

【イベント】近々行われるイベントは?

○2008/3/21 (金)  教育学習支援情報システム研究グループ(CMS研究会)
第8回研究会 原稿提出締切
テーマ: 「キャンパス情報システムおよび一般」
URI:http://www.ulan.jp/sigcms/

○2008/4/10 (木) JSET研究会@岩手大学 原稿提出締切
テーマ: 「質的研究と教育工学/一般」
URI:http://www.jset.gr.jp/study-group/files/20080517.html

○2008/4/12 (土)熊本大学国際セミナーin東京 (Wager先生講演)
URI:http://el-lects.kumamoto-u.ac.jp/i_collabo/

○2008/5/15 (木)~16(金)  教育学習支援情報システム研究グループ(CMS研究会)
第8回研究会(名古屋) テーマ: 「キャンパス情報システムおよび一般」
URI:http://www.ulan.jp/sigcms/

○2008/5/17(土) JSET研究会 質的研究と教育工学@岩手大学
URI:http://www.jset.gr.jp/study-group/files/20080517.html

○2008/5/24(土) JAEMS研究会@金沢星陵大
URI:http://wwwsoc.nii.ac.jp/jaems/

【報告&予告】 アメリカ取材@PSU (Penn State University)

2月の前半、雪の降る寒い(ホントに寒かったです)アメリカへ教授システム学専攻のメンバー4名でIDと学習科学に関するインタビューに行ってきました場所はペンシルバニア州立大学(PSU)。そこで伝統的なカリキュラムとして定評がある教授システム学の中に学習科学の専門家達を多く採用し、積極的に協同する専門家達の姿を見てきました。またPSUの博士課程で学んでいる藤本徹さん(「シリアスゲーム」の著者)のおかげで、驚くほど多くの方に出会いました。本でしかお会いすることができない皆さまとの面談を通して、自分のいる立場について深く考えさせられました。次号から少しずつ紹介する予定です。お楽しみに。

編集後記

もうすぐ4月。新しい年度がスタートします。皆さまは、この一年何かチャレンジしてみたいこと、達成したいことなどありますか?
私個人は、約1年の米国滞在(逃亡?)を終えて戻ってきましたので、その経験が少しでも自分の行動、そして研究に生かされるよう今まで以上に実学実践を続けることでしょうか。

今後ともIDマガジンをご愛読お願いします。よろしければ、お知り合いの方に、Webからの登録をお勧めしてくださいませ。

また、皆さまの活動をこのIDマガジンに載せてみませんか?
ご意見・ご感想・叱咤激励など常時お待ちしております!
【 mail to: idportalあっとml.gsis.kumamoto-u.ac.jp】

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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謝辞

本サイトは、JSPS科研費「教育設計基礎力養成環境の構築とデザイン原則の導出に関する統合的研究(23300305)」の助成を受け、研究開発を行いました。

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