━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2014年07月14日━━━━
<Vol.0053> IDマガジン 第53号
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IDマガジンのご愛読ありがとうございます。
梅雨、台風の季節でじめじめとしておりますが、みなさまどうお過ごしでしょうか。
今回のIDマガジンは、夏の陣の幕開けとして盛りだくさんでお送りいたします。
ヒゲ講師活動日誌、ASTDカンファレンス、まなばナイト報告と次回の案内、アンケート協力依頼もございます。
どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
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《 Contents 》
1. 【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(49)
2. 【報告】マーク・ローゼンバーグの再訪?:最後のASTD-ICEカンファレンスより
3. 【協力依頼】ibstpi研修マネージャコンピテンシー改訂 WEBアンケート
4. 【報告】「第14回まなばナイト」実施報告と第15回・第16回開催のお知らせ
5. 【イベント】その他、近々行われるイベントは?
★ 編集後記
【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(49) ~ノマドの季節がまた始まる(いや、違うか「まだ続く」ですかね)~
ヒゲ講師は2週間のトルコ滞在を終えて台風への警戒に緊張する熊本に戻ってきた。いろいろ片づけて備えた割には、熊本への直撃は免れたようで、風はビュービューと音を立てているが、平穏である(ニュースによると各地に被害が広がっているらしいのでご用心を)。
家族を大事にするトルコでは「ファミリーマネジメント」が重要なテーマである。今回も家族同伴でリゾートホテルに2泊3日で缶詰めになり、家族がプールで遊ぶ傍らで窓もない集中できる部屋で冷房をガンガンかけながらセミナーをやった。家族サービスと仕事を同時並行で集中してやるための知恵であるが、私にとっては仕事中に休暇的要素も付随してくるような好都合な設定であった。地中海沿岸の魚料理は格別においしかったです。
その直前には恩師リーサー教授来日のお供で東京→名古屋→京都→阿蘇のあわただしい1週間があったから、久しぶりの熊本である。台風の影響で明日の大阪でのセミナーに穴をあけない用心のために今日中に大阪入りすることになった。よって、熊本に戻ってからの在宅日数は3日のみで、また旅が始まる。ヒゲ講師にとって重要なテーマは、ノマド生活ゆえに、「ファミリーマネジメント」ならぬ「洗濯物マネジメント」である。これって、結構、大変なんですよ。今回は10泊分ですね。
今回は、大阪でのSDセミナーを皮切りに、千歳→佐世保→東京→和歌山→東京の10泊のノマド生活(大阪から千歳、飛べるのかなぁ)。熊本に戻って人間ドックに入ることも含めて7日間滞在し、次の旅は東京→岡山→佐賀→東京で合計9泊、一度熊本に戻って(1泊だけ!)仙台→京都→大阪の旅がお盆前まで。お盆は熊本で集中的執筆活動にいそしみ(予定)、日光→広島→名古屋の合計10泊で8月が終わり、9月は函館・和歌山・岐阜でほぼ不在のまま、そして、今年もまた夏が終わるのである。
そういう生活で良く疲れませんね。ーーそうよく聞かれる。
疲れてます。でも毎晩リセットするので長期休暇が欲しいとは思いません。
呑みすぎないでくださいね。ーーありがたいお言葉である。
はい、心に留めておきます(…)。
みなさんも、おいしいものを食べて、何とか夏を乗り切りましょう。これだけいろんなところに出向いているのですから、どこかでお会いでき一献できることを楽しみにしています。
(ひげ講師記す)
【報告】マーク・ローゼンバーグの再訪?:最後のASTD-ICEカンファレンスより
前回のIDマガジン「ヒゲ講師の活動日誌(48)」にもあったように、ASTD(American Society for Training & Development)はATD(Association for Talent Development)に名称が変更になり、Donald Kirkpatrick氏は他界するという、5月は我々のフィールドにとっては衝撃的なニュースがあった。実は私もASTDの国際会議に参加していたのだが、めったにお目にかかることのできない、学会名改編と一緒に会場の装飾も一斉に代わるという演出を直接見ることになった。
見た目はともかく中身は、というと例年通り大きなイベントであった。今回は皆さんにも参考になりそうなものとして、Marc Rosenbergのスピーチについて紹介したい。彼は、人材開発コンサルタントとして活躍する実践家として有名。著書も多く出ており、翻訳された彼の書籍「eラーニング戦略」をご存じの方も多いのではないか。
さて、プレゼンタイトルは、The Best Training is No Training。話す内容はタイトルから推測する通りのもの。そのわかりやすさが何と言っても魅力であり、ステキだった。生産性とパフォーマンスを向上させるために尽力せよ。そのためには無駄な研修は無くすこと。研修は上位概念ではなく、パフォーマンス→学習→研修の順で最後に検討するもの。また、ICT活用も重要なことであるが、残念な研修に技術をプラスしたら、ますます残念な研修が出来上がってしまう。だから導入前の準備が大事なのよ。ということでした。
よくある現場の様子として、たとえば次のようなものがあります。
さて、皆さんの職場でありそうなことは含まれていますか?
1.業務を遂行する方法を知らない
2.効果的に業務を遂行する方法を知らない
3.既にパフォーマンスを出せていると思っている
4.なぜ業務を遂行しなければならないかを知らない
5.業務を遂行すべきことを知らない
6.信じるべきものを知らず、それがうまくいくとも思っていない
7.現状に関心がありすぎる
8.忙しい過ぎる
9.適切なパフォーマンスを遂行することに対する見返りがない
10.適切なパフォーマンスを遂行することに罰せられる
11.間違って実施することや全く遂行できていないことに対する影響がない、または、ほとんどない
12.パフォーマンスを出すための、財務、技術、ワークプレイス、人材がない
13.業務またはタスクがよく検討されていないか、実行不可能である
14.パフォーマンスを遂行するための能力がない
ここに挙げられる課題を解決するためには、基準、ツール、フィードバック、情報源、動機づけ、ジョブデザイン、インセンティブ、能力、スキルなどいくつかのアプローチがあることに注意して、まずはワークプレイスや業務に焦点を当て、そのあとに、現場の従業員について考えましょう、つまり人が関与する研修ではなく、もっと広い視野を持ちなさいということ。
加えて、人が成長していく中で必要な支援方法は変わっていくことについてもリマインダがあった。新人たちには、まず情報を提示する研修は役立つけれど、成長するにつれて研修の必要性は減り、メンタリングやソーシャルメディアなどを使って必要な時に支援するようになるでしょう。Push型からPull型ということですね。
個人的にはすごく久し振りに彼のプレゼンを聞いた。今までと変わらないわかりやすい筋の通ったメッセージと話し方。新しいことが盛りだくさん、ということではないけれど、現代に合わせての説明が印象的。新しい時代に向けて走り出す中で、大事なことは忘れずにといったメッセージというところでしょうか。
(愛媛大学 根本淳子)
【協力依頼】ibstpi研修マネージャコンピテンシー改訂 WEBアンケート
このたび、標記の件について、一般財団法人日本教育学習評価機構(JEIEL)の協力で日本国内での実施の準備ができました。ご自身が「研修マネジャ」に該当すると思われる方の回答への協力と、それらしい人たちへの回答依頼の拡散をよろしくお願いします。
アンケートの詳細につきましては、下記のリンク先にてご覧ください。
http://www.jeiel.or.jp/jeiel.html
本アンケートは、ibstpiの研修マネージャコンピテンシーの改訂に不可欠なプロセスの一つであり、我が国の意見を反映したく、多くの皆様のご協力をいただければと思っています。
また、ご協力いただけそうな方に本アンケートをお知らせいただきまして、友達の輪を広げていただければと思います。
ご協力のほど、何卒よろしくお願いします。
ibstpi理事・TMコンピテンシー改訂チームリーダー:
ダーリーン・ラスエフト(オレゴン州立大学)
日本語版調査担当ibstpi理事:鈴木克明(熊本大学)
【報告】「第14回まなばナイト」実施報告と第15回・第16回開催のお知らせ
【第14回まなばナイト実施報告:ダブルディグリーのススメ ~インストラクショナルデザイン+医療系資格の事例から~】
第14回まなばナイトは、「ダブルディグリーのススメ ~インストラクショナルデザイン+医療系資格の事例から~」と題しまして、医療現場で働く医療従事者とインストラクショナルデザインの融合を参加者全員で考え、意見交換する会として平成26年6月14日(土)に開催しました。
当日はスペシャルゲストとして、フロリダ州立大学教授システム学専攻 教授 ロバート・リーサー先生にもご来場いただきました。
オープニングとして鈴木克明先生から、インストラクショナルデザインや教授システム学専攻についての紹介から始まりました。
続いて、教授システム学専攻OBである私、大石がインストラクショナルデザインと救急救命士の融合について「ダブルディグリー保持者の体験談:良かったことと今後の夢」と題して、話題提供を行いました。
その後、話題提供をもとに美味しい食事を召し上がりながらグループワークとして、インストラクショナルデザインや教授システム学専攻に関しての質疑応答とダブルディグリーであればできることを意見交換しました。
詳しくは、イベント報告のページをご覧下さい。
http://www.manabanight.com/info/manabanight14report
初めての中部開催は、とても和やかな雰囲気のなかで終えることができました。開催するにあたり無事終えることができるか心配でしたが、中部地方の方々が熱い心をお持ちだと分かったため、引き続きまなばナイトin名古屋を開催していきたいと思います。ご参加いただきました皆様、開催までご支援いただきました皆様、ありがとうございました。
(まなばナイト実行委員 大石奨)
【次回 第15回・第16回まなばナイト開催のお知らせ】
今回は2か月連続!
東京と京都で開催します!
●第15回 まなばナイト@東京(緊急開催!)
覚えるIDから使うIDへ~ラーニングセオリーマップの活用
世の中にはさまざまな学びに関するセオリーがあり、いざ使おうとすると、「はて、どれが適しているのやら」「セオリーAとBはどう違うのやら」と、新たな悩みを抱えることも少なくありません。そこで今回、登場するのが、「ラーニングセオリーマップ」。当日は、このマップの概要と、活用の可能性を探っていきます。
日時:2014年7月27日(日) 14:30~17:00(14:00受付開始)※日曜、早めの時間の開催です!
会場:富士通ラーニングメディア「CO☆PIT」 品川インターシティB棟10階
お申込み&イベント詳細:http://www.manabanight.com/event/manabanight15
●第16回 まなばナイト@関西(京都)
インストラクショナルデザイン研究・実践のショーケース
~学校の,企業の,医療現場の学びに関する事例
熊本大学大学院教授システム学専攻(GSIS)の鈴木克明、都竹茂樹 両専攻長と修了生・現役生が皆様をお迎えし、GSIS開設以降、8年間の修士論文研究の成果を紹介するとともに、皆様の現場での課題について一緒に考えます。
日時:2014年8月9日(土) 17:30-20:00
会場:京都大学吉田キャンパス 百周年記念時計台館 2階会議室
お申込み&イベント詳細:http://www.manabanight.com/event/manabanight16
会場でお会いできることを楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。
(熊本大学大学院 教授システム学専攻 同窓会名誉会長・まなばナイト実行委員 加地正典)
【イベント】その他、近々行われるイベントは? 2014/7~2014/10
2014/07/20(日)
教育システム情報学会2014年度第2回研究会「ICTを活用した教育の質保証とその評価/一般」@千歳科学技術大学 http://www.jsise.org/society/committee/2014/PROGRAM_2nd.html
2014/07/26(土)
JSISH主催「ID基礎セミナー」2014年@レールダル本社
http://www.asas.or.jp/jsish/08_img/140326.pdf
2014/07/27(日)
第15回まなばナイト@東京
http://www.manabanight.com/event/manabanight15
2014/08/02(土) ~ 2014/08/03(日)
JSISH主催「ARCS / ISDセミナー」2014年
http://www.asas.or.jp/jsish/08_img/140130.pdf
2014/08/09(土)
第16回まなばナイト@関西(京都)
http://www.manabanight.com/event/manabanight16
2014/08/25(月) ~ 2014/08/28(木)
ICoME 2014@Korea University
http://kaeim.or.kr/2014_icome/
2014/09/10(水) ~ 2014/09/12(金)
教育システム情報学会 第39回全国大会@和歌山大学
http://www.jsise.org/taikai/2014/
2014/09/13(土)
JSISH主催「教授システム学の理論とモデル勉強会(グリーンブック勉強会)」@東京慈恵医大学・西講堂
http://www.asas.or.jp/jsish/08_img/140120_1.pdf
2014/09/19(金) ~ 2014/09/21(日)
日本教育工学会第30回全国大会@岐阜大学
http://www.jset.gr.jp/taikai30/
2014/09/29
教育システム情報学会2014年度第3回研究会「ゲーム・エンターテーメントと教育システム/一般」@香川大学
http://www.jsise.org/society/committee/2014/CFP_3rd.html
2014/10/11(土)
日本教育工学会研究会「学校教育におけるポートフォリオの活用/一般」@日本女子大学
http://www.jset.gr.jp/study-group/index.html
2014/10/11(土) ~ 2014/10/12(日)
2014年第21回日本教育メディア学会年次大会@金沢星稜大学
http://murai-labo.sakura.ne.jp/
2014/10/18(土)
JSISH主催「ISD事例研究会」@東京慈恵医大・西講堂
http://jsish.jp/eduwp/wp-content/uploads/2014/03/e99cbac7b89fb86f3529c30bf936e16a.pdf
★ 編集後記
ホットな情報を中心にお送りしました今回のIDマガジンは、いかがでしたか?
沖縄、奄美は梅雨明けとのうわさですが、長崎は今日もジメジメと雨模様です。
私は夏の学会に向けた原稿書きに研究に授業に島めぐりと前学期の締めくくりを謳歌しております。
鈴木先生は、日誌にもあった通り、飛び回ってます。・・・夏だからかいつもかはともかくですが。
みなさんも様々な理由でお忙しいところとは思いますが、みんなで盛り上がってジメジメを吹き飛ばしましょう!
暑かったり寒かったりと不安定な季節ですので体調にはご注意くださいませ。
それではまた、次号でお会いしましょう。
よろしければ、お知り合いの方に、Webからの登録をお勧めしてくださいませ。
また、皆さまの活動をこのIDマガジンに載せてみませんか?
ご意見・ご感想・叱咤激励など常時お待ちしております!
【 mail to: id_magazineあっとml.gsis.kumamoto-u.ac.jp】
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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編 集 ID マガジン編集部 井ノ上 憲司・高橋 暁子・根本 淳子
発 行 熊本大学 大学院社会文化科学研究科
教授システム学専攻 鈴木 克明
http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/
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