━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2023年5月31日━━━━
<Vol.0120> IDマガジン 第120号
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皆様、いつもIDマガジンのご愛読ありがとうございます。
気温変化の大きい毎日が続いていますが、体調はいかがでしょうか。今回も、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
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《 Contents 》
1. 【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(99):情熱の火の国からコスモポリタン東京へ
2. 【修論紹介】低頻度高リスク疾患・症状の看護実践のジョブエイドおよびGBS(Goal -Based Scenarios)に基づく研修の開発
3. 【ご案内】2023年6月10日まなばナイト
4. 【イベント】その他、近々行われるイベントは?
★ 編集後記
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【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(99):情熱の火の国からコスモポリタン東京へ
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ヒゲ講師のID活動日誌(99):情熱の火の国からコスモポリタン東京へ
ヒゲ講師は2023年4月から江東区の住人となった。長年お世話になった熊本に蔵書を相当数残し、大都会に移住した。と言っても単身赴任であることに変わりはない。26平米しかない新居に何とか収まるだけの荷物とともに東京に引っ越してきた。当然、家具も食器も断捨離して身軽になった(自分のからだについてはこれから・・・)。本籍地は台東区なので、隣の区に先祖返りしたと言えなくもない。幼少の頃を過ごした千葉県市川市にも近いので、違和感もあまりない。これで仙台に帰る機会も増えるのでしょうね。そう言われたが、果たしてどうなるか、まだ見通しは不確かである。
転職先では、学部に所属せず、研究室は持たずに、全学の世話をしてくれとの依頼である。有明に研究室(居室)はあるし、授業は(少しだけ)あるけど、卒論の面倒を見る学生や大学院生がつかない先生になる、という意味です。「全学の世話」とは何か、これがまだ見えない。よって、今後の見通しは確かではない。でも、楽しそうな予感はする。まぁ何ができるか定かではないが、「こんなことであればお手伝いできます」と開陳し、どんな展開が生まれるか、この不確かさを楽しもうと思っています。これまでの付き合いもあり、熊本での残務もありで、すでに結構充実した日々である。その上に何が加わっていくか、どんな時間を過ごせるようになるのか、心わくわくなのである。
ところで、東京は便利ですね。何が便利って、東京滞在のためにホテルの予約をしないで済むようになった(当たり前か)。「行ってみたい」マークのついている飲食店は、まだまだ枯渇しない。これでは自炊をする意欲が沸かないのも当然と思える(朝ご飯はこれまで通り「自炊」しています・・・)。この便利さに甘えて不健康な70歳を迎えることがないよう、せいぜい精進する所存であります。と言ってもいきなりスポーツジムに通い始めるわけでもなく、地下鉄の階段を上っただけで息が切れる現状を少しずつ打開していきたいと願っているにすぎませんが。この点は長期戦、日々の積み重ねが徐々に成果につながることを楽しみに、取り組んでいこうと思っています。
所属組織が変わるとそこのルールを把握するまでが大変。日々、新しい学びがある。ルールを把握できたら、次に把握すべきは運用の実態。これが実は「裏ルール」なので、それをどのように学ぶか、情報源探しに余念がない。まぁルール上は××ですが、実際は△△ですよ、というやつである。最初の年は手探りで、2年目からは「それはこうやればよいのだ」ということで安定感が出てくるのだろう、きっと。これも長期戦かもしれない。まぁ、ぼちぼちやります。
この転職を機会に、本メルマガの編集体制も改めてもらった。「初代編集長」か「名誉編集長」かの候補が取りざたされたが、後者に落ち着いたらしい。ヒゲ講師の活動日誌は継続するという条件なので、これまでとやることはあまり変わらないだろう。次は第100回とのこと、何を書こうか気合を入れて準備したいと思っている(結果的に、結構平凡なものかもしれません)。本メールの発行者GSIS同窓会からは「顧問」という肩書を頂戴した。これで今後どこに転職しても引退したとしても、堂々と顔を出せるのが嬉しい。まなばナイトでまたお会いしましょう。
(ヒゲ講師記す)
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【修論紹介】低頻度高リスク疾患・症状の看護実践のジョブエイドおよびGBS(Goal -Based Scenarios)に基づく研修の開発
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2022 年度に手がけた修士論文の内容をご紹介します。
私は二次救急病院(24 時間緊急手術が可能な病院)の看護管理者です。二次救急病院の看護師の中には来院頻度が低く重症な患者(以下、低頻度高リスク疾患とします)の対応に自信が持てない看護師も存在します。そのため、低頻度高リスク疾患の患者が来院した時に、看護実践が一定のレベルで提供できるようにジョブエイド(看護師の決断を支援し助言し導く内容としてのカンニングペーパーのような資料)を作成しました。またジョブエイドの作成だけでは、いざ来院したときに活用される可能性は低いと考えジョブエイドの活用トレーニングとしてシナリオ研修を作成し実施しました。
効果的なジョブエイドを作成するために、学習目標が漏れないように階層分析を行い「患者搬送前」「診察時」「医師の診断後」という場面の中で、何を達成できていればいいのかを学習成果の5分類で表現しました。階層分析とは、知的技能の内容を学ばせたいときに基礎から応用への段階的な学習の流れを整理するのに用いられます。そして、階層分析の中から前提条件を抽出し前提テストに入れました。前提テストとは、その部分を理解しておかないと研修に進むことが難しいという研修の入口に当たります。その後、階層分析をもとに場面に応じたジョブエイドを作成し、ID 専門家と内容領域の専門家のレビューから修正をしました。
次に GBS 理論をもとにしたシナリオ作成を行いました。GBS 理論は、人は失敗した時に学ぶということを前提とした理論です。それを援用しシナリオの中で失敗しながら学んでいくことを期待しました。また、シナリオで迷った時にはジョブエイドを活用することも可能とし、救急経験年数 2 年目以上の 11 名にシナリオ研修を行いました。研修は学習者中心の方法で実施できるように工夫し、選択肢をクリックすると、そのストーリーへ移動する設定にしました。軽症パターンを先に行い、次に最重症パターンを実施しましたが、選択肢が多くなったにも関わらずゴールまでの平均時間は軽症パターンとほぼ同じでした。また重症パターンも同様でした。ジョブエイドも看護実践の選択で迷った時などに活用していました。さらに、間違えたところが解説を読んでわかったなどの意見から失敗しながら学べたことも伺えました。
ご意見ご感想などありましたら下記のメールに送付いただけたら幸いです。
Mail:tomoko.bb.0508@gmail.com
(熊本大学大学院教授システム学専攻 博士前期15期生 馬場知子)
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【ご案内】2023年6月10日まなばナイト
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第60回まなばナイトのテーマ
「デジタルバッジとオンライン大学のこれからに対するポテンシャル」
デジタルバッジとは、オンライン学習やその他の学習活動で獲得したスキルや能力を認定するデジタル証明書です。デジタルバッジは、履歴書やポートフォリオに追加したり、雇用主や教育機関にスキルを証明したりするために使用できます。
デジタルバッジは教育に革命を起こす可能性を秘めています。デジタルバッジは、従来の学位や資格に比べて、柔軟でアクセスしやすい学習方法を提供することができます。デジタルバッジは、学習者にとってより包括的な学習環境を作り出すためにも使用できます。
話題提供いただく熊本大学大学院教授システム学専攻の修了生、天野の博論は、デジタルバッジが教育に与える影響について議論しています。天野は、デジタルバッジは高等教育へのアクセスを容易にし、学習者の柔軟性と包括性を向上させることができると主張しています。
今回のまなばナイトでは、天野の博論を事例に、デジタルバッジが教育に与えるポテンシャルについて議論します。特に、デジタルバッジが高等教育へのアクセスを容易にするという可能性を提示し、それがオンライン大学で学ぶ人を増やすためにどう貢献できそうかを参加者で議論します。
話題提供の詳細やグループセッションの企画はまとまり次第お知らせいたします。気になる方は予定を入れておいてくださいね。
東京の会場とオンライン(Zoom)でのハイブリッド開催を予定しています。是非奮ってご参加ください!!
オンライン参加される方には前日にZoomへの招待メールをお送り致します。
※迷惑メールに振り分けられていることもございます。必ず前日までにご確認ください。
当日開催時間中は事務局が確認出来ないことがございます。メールが届いていない方は午前中までに必ずご連絡ください。
【日時】
2023年6月10日(土)17:00〜19:30
Zoom待機室入場時間 16:45〜
【プログラム】
◎テーマ
「デジタルバッジとオンライン大学のこれからに対するポテンシャル」
◎オープニング
鈴木克明先生
武蔵野大学 響学開発センター 教授 (センター長)
熊本大学大学院 社会文化科学教育部 教授システム学専攻 客員教授
熊本大学大学院 教授システム学専攻同窓会 顧問
◎話題提供
天野 慧(博士前期7期生)
熊本大学大学院 社会文化科学教育部 教授システム学専攻 客員助教
株式会社グロービス主任研究員
田中 洋一(博士後期4期生)
仁愛女子短期大学 教授
◎グループワーク(Zoomブレイクアウト)
セッション内容は検討中
◎クロージング
【定員】専用フォームからの申込み
東京会場 30名
オンライン 90名
【会場】東京会場とオンライン(Zoom)でのハイブリッド開催となります。
ビジネス・ブレークスルー大学 麹町校舎
東京都千代田区二番町3番地 麹町スクエア1階
最寄駅からの交通案内
東京メトロ有楽町線「麹町」駅 5番出口 徒歩約1分
東京メトロ半蔵門線「半蔵門」駅 5番出口 徒歩約7分
JR中央線・総武線「四ツ谷」駅 徒歩約8分
東京メトロ丸ノ内線・南北線「四ツ谷」駅 3 番 (四ツ谷口) 出口 徒歩約 10 分
JR 総武線、東京メトロ有楽町線・南北線・都営新宿線「市ヶ谷」駅 3 番出口 徒歩約 8 分
https://bbt.ac/accessmap/
【参加費用】
無料 ※おつまみ、お茶菓子、ドリンク類につきましては、各自ご用意ください。
【懇親会】(オプション)
懇親会のみ参加についても、フォームよりお申し込みいただけます。
【まなばナイトへのお申込み】
お申し込みは、https://forms.gle/SvcGLkGi7ZM9tcaE8 こちらから。
6月9日(金)正午までにアクセス方法を登録いただいたメールアドレスにお知らせします。
6月9日(金)正午にメールが届いていない場合は、事務局までご一報ください。
最新の情報は、まなばナイトのサイトでご確認ください。
https://www.manabanight.com/event/manabanight60
【キャンセルについて】
まなばナイト参加キャンセル等のご連絡は,6月7日(水)までに info@manabanight.comまでお願いいたします。使用するシステムの都合上,当日の参加取消しはご遠慮ください。
【主催者】熊本大学大学院教授システム学専攻同窓会 https://www.gsis.jp
【ご案内】2023年度まなばナイト開催スケジュール
2023年度は以下の開催を予定しております。
第61回 2023年8月26日(土)@名古屋
第62回 2023年10月14日(土)@大阪
第63回 2023年12月9日(土)@東京
第64回 2024年2月24日(土)@東京
詳細はまとまり次第告知サイトにてお知らせいたします。
http://www.manabanight.com/
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【イベント】その他、近々行われるイベントは? 2023/6~2023/7
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2023年6月3日 (土)
情報処理学会 コンピュータと教育研究会 170回研究発表会@武蔵野大学&オンライン発表
2023年6月6日 (火)〜2023年7月3日 (月)
デジタルラーニング・コンソーシアム eLP「教授法設計」コース開講
2022年6月10日 (土)
第60回まなばナイト
2023年6月17日 (土)
日本教育メディア学会 第1回研究会「学習者が主体性を発揮する学びと教育メディアの活用/一般」@桃山学院教育大学
2023年6月17日 (土)〜2023年6月18日 (日)
情報処理学会 第40回教育学習支援情報システム研究発表会@東京都立大学(ハイブリッド予定)
2023年7月15日 (土)
教育システム情報学会 2023年度 第2回研究会「ICTを活用した学習支援と教育の質保証/一般」@北星学園大学
2023年7月17日 (月)
人工知能学会 第98回 先進的学習科学と工学研究会@静岡大学
★ 編集後記
戸籍謄本を取り寄せる必要があり取り寄せてみると1つ漏れがありました。調べてみると市町村合併で編成しなおしたためであることがわかりました。これって、ブルシットジョブの一つですよねぇ…。
(第120号編集担当:竹岡篤永)
よろしければ、お知り合いの方に、Webからの登録をお勧めしてくださいませ。
また、皆さまの活動をこのIDマガジンに載せてみませんか?
ご意見・ご感想・叱咤激励など常時お待ちしております!
【 mail to: id_magazine@mls.gsis.kumamoto-u.ac.jp】
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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<編集>
名誉編集長:鈴木克明
共同編集長:市川尚・根本淳子
編集幹事:高橋暁子・竹岡篤永
編集委員:石田百合子・市村由起・甲斐晶子・桑原千幸・仲道雅輝・三井一希
<発行>
熊本大学大学院社会文化科学研究科 教授システム学専攻同窓会
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