「e-ラーニングは学校を変えるか?」

東北大学大学院教育情報学研究部・教育部公開講座
2002.11.16.@仙台市情報・産業プラザ


岩手県立大学ソフトウェア情報学部教授
東北大学大学院教育情報学研究部客員教授
鈴木 克明
face
E-mail: ksuzuki@soft.iwate-pu.ac.jp
URL: http://et.soft.iwate-pu.ac.jp /



●その答えは...NO! e-ラーニングは学校を変えない

●e-ラーニングは何を変えるか?:企業内教育、カルチャーセンター(IT資格)、大学・大学院
 (ISTU)、予備校・塾、専門学校、通信制高校、?地域?

●学校は変わりつつある(1)「教育の情報化」e-JAPAN計画
 2005年までに小中高の各教室に高速インターネット+プロジェクタ+パソコン数台を整備、
 →わかりやすい授業、コミュニケーション能力の育成、生きる力の育成

●学校は変わりつつある(2)「総合的な学習の時間」新学習指導要領
 教科ごとで教える内容を3割削減→生きる力の育成につながる時間、教科書なし、週3時間相当、
 正解がない課題に正面から取り組む、調べて・まとめて・伝える練習

●e-ラーニングは学校を変えない:学校を変えるのは教師(cf.教室の扉で止まる学校改革)
 →教師が変われば学校は変わるけど高速インターネットが入るだけでは学校は変わらない

● e-ラーニングとは何か?(1)
 情報技術(IT)を利用した教育研修システム。技術の種類にかかわらず、幅広くe-ラーニングととらえる傾向。通信ネットワークやメディアを活用した TBT(Technology Based Training)や遠隔学習(Distance Learning)なども同じ分類(引用)

● e-ラーニングとは何か?(2)
 eラーニングはLearningという単語を使っていることからもわかるように、積極的に学ぶという意味が込められている。また、eが意味するのは 「electronic」よりも「experience(体験)」とされることもあり、eラーニングで学ぶことは知識だけでなく、学びへの取り組み方も含 まれているのである。(引用)

● e-ラーニングは21世紀の学びのスタイルを変える
 ?時間と場所の制約がない ?レベルに合わせた学習ができる ?関連情報をすぐに参照、検索できる ?更新が容易で最新情報が学べる ?学習履歴が保存できる ?メール等を使って参加者間のやりとりができる→多忙で学ぶことが多くある現代人の求める教育環境を実現(引用)

● e-ラーニングの潜在市場規模:総計約1兆円
 NTTデータ経営研究所では、e-ラーニングは学校教育よりも社会人教育のほうが大きな市場になると予測。

● いつでも、どこでも、だれでも(Anytime、Anywhere、Anyone)
 eラーニングの特性を表すキーワード。通信制高校のキーワードでもある(ず〜っと昔から)

● eラーニングは学び方を学ぶチャンス
 高校では「情報」授業が、一般向けにはインターネット講習が始まり、ITリテラシー教育は進んでいるが、学びのスタイルはまだ受け身の時代のままである。情報化時代には自らが動かなければ情報は得られない。Eラーニングは学び方を学ぶチャンスなのである。(引用)

――――――――――――――――――――――――――――――
【参考・引用文献】
野々下裕子(2001)「入門 eラーニング: eラーニングはブームになるか?(前編)」、Newsinsight、atmarkIT、http://www.atmarkit.co.jp /fengineer/special/elearn/elearn01.html(2002.11.15確認)