「地域情報化のメリット」
岩手県立大学地区講演会(沢内地区)
2002.10.28.@沢内バーデン
岩手県立大学ソフトウェア情報学部教授
鈴木 克明
E-mail: ksuzuki@soft.iwate-pu.ac.jp
URL: http://et.soft.iwate-pu.ac.jp /
地域を情報化することで、地域を楽しく豊かにする。 世界の情報が地域に集まり、地域の情報を世界に届ける。 そういう活動の中で、人が育ち、街が彩り、手ごたえが生まれる。 情報化することで地域をダメにしないような、 地域のためになる情報化について、皆さんと一緒に考えてみたい。
1. 情報化とは何か
- 情報化は地方を変える?〜地球村(グローバルビレッジ)
- 情報化なんて、いらない? 観天望気と天気予報
- 情報化はテレビとともにやってきた〜カウチポテト族〜
- テレビからパソコンへ、パソコンからケイタイへ
- 喜んでばかりもいられない? 情報化の光と影:明るい職場は個室完備? なんでもかんでもマニュアル...
- 情報社会を生きるために必要な4つの能力:柔軟性、主体性、連帯性、論理性
2. 求められるのは<人材>、<良い子>ではない。
- 「人材は不良社員からさがせ」講談社ブルーバックスより
- 人材が企業経営のポイント:生きた情報を残して情報を捨てる力、プロは先を見通すセンスが必要、トップダウンの目標には良い子が群がる
- どうすれば<人材>が育つか? 上長は細かいことに口を出すな! マネージャーは鳥になれ! マネージャーは邪魔するな!
わたしたちは、地域の明日をになう<人材>をじょうずに育てているのか。
<人材>のかわりに、<良い子>をたくさん作っていないか。
3. 人類を変えた3つの波:情報化は「第3の波」
(アルビン・トフラー)
- 第1の波は「農業化」:約1万年前、地域社会を生んだ
- 第2の波は「工業化」:300年前の産業革命、サラリーマンを生んだ
- 第2の波の原則:規格化、分業化、同時化、集中化、極大化、中央集権化
- 情報革命後の社会:多品種少量生産、フレックスタイム、在宅勤務(エレクトロニクス住宅;通勤から通信へ)、地方の時代、適正規模(小さいことは美しい)、生産=消費者(プロシューマ、DIY)
- 情報化の時代が求める人材
*俵*- 学校は、産業革命をになう工場労働者を育てるために、<第2の波>の時代に誕生した。それ以前の学校は、特権階級だけのもの。金持ちの子息だけが学校に通っていた。
- 学校の「裏のカリキュラム」:「工場での労働を想定して、公共教育は基礎的な読み書き算数と歴史とその他の科目を少しずつ教えた。だ が、これはいわば『表の教科課程(カリキュラム)』である。その裏には、はるかに大切な裏のカリキュラムが隠されていた。内容は3つで、今日でも産業主義 の国では守られている。それは時間励行と従順と機械的な反復作業である。」(A・トフラー『第3の波』1980年より引用)
- 第2の波の原則:学校にも よくあてはまる。つまり、今まで学校は、<第2の波>の時代が求める <良い子>を育てるようにつくられてきた。<人材>を育てるためには、学校が<情報化>する必要がある。地域のサポートが不可欠。
地域情報化のメリットを実現するために、<人材>を育てる環境を整えましょう。